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●よくある事例とその解決策

Q70. 修繕費で節税が可能という話をたまに聞きますが、どういったものなのでしょうか?

修繕費の取り扱い ~修繕費で最大限に節税を~

(修繕費となる場合)
固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した時に損金算入が認められます。具体的には次のような支出です。

①老朽化した設備の復旧費用
②部品の交換などの維持管理費
③一つの修理や改良などの金額が20万円未満の場合
④おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理、改良
⑤退出時の原状回復費用

(修繕費とならず資本的支出となる場合)
その修理、改良等が固定資産の使用可能期間を延長させ、又は価値を増加させるものである場合は、その延長及び増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず資本的支出となります。
例えば、次のような支出は原則として修繕費にはならず資本的支出となります。

①建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
②用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
(店舗から居宅への変更・1LDKから3LDKへの変更)
③特に品質や性能の高いものに取替えた場合で、その取替えの金額のうち、通常の取替えの金額を超える部分の金額(この判断は実務的には難しいです。)

(例外形式基準)
次に、一つの修理、改良などの金額のうちに、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合には、次の基準によりその区分を行うことができます。

①その支出した金額が60万円未満のとき、又はその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10%相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
②法人が継続してその支出した金額の30%相当額とその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときはその処理が認められます。

※設備投資で、一括で経費に落ちるものとして下記のものがあります。

■中小企業者の少額減価償却資産の特例
中小企業者に該当する個人で、青色申告書を提出するものが、平成18年4月1日から平成26年3月31日の間に取得価額が30万円未満「少額減価償却資産」(限度として合計額300万円まで)の取得等をし、事業用に供した場合には、その取得価額の全額を経費することができます。

■少額減価償却資産の取得等とされない資本的支出
租税特別措置法67の5-3「法人が行った資本的支出については、取得価額を区分する特例である令第55条第1項《資本的支出の取得価額の特例》の規定の適用を受けて新たに取得したものとされるものであっても、法人の既に有する減価償却資産につき改良、改造等のために行った支出であることから、原則として、措置法第67条の5第1項《中小企業等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例》に規定する「取得し、又は製作し、若しくは建設し、かつ、当該中小企業者等の事業の用に供した減価償却資産」に当たらないのであるが、当該資本的支出の内容が、例えば、規模の拡張である場合や単独資産としての機能の付加である場合など、実質的に新たな資産を取得したと認められる場合には、当該資本的支出について、同項の規定を適用することができるものとする」(例・エアコン・給湯器・カーテン・絨毯などの什器備品の交換等は特例が使えます。一方、便器や階段の増設等、付属設備・建物の改良には特例は使えません。)

※具体例にて説明します。

1.取り壊し費用
これまで賃貸していたアパート、マンションを取壊して新たに賃貸用のアパート・マンションを建設するような場合、古いアパート・マンションの取壊し費用や、入居者への立退料等は、支出した年の必要経費となります
ただし、自宅を取壊してアパート等を建設する場合の取壊し費用は経費に入りません。

2.階段の修理
一部を除いて、ほとんどの場合で全額経費に入ると思われます。
①老朽化した部分のみの工事(サビ取り、塗装など)全額経費
②避難階段の追加等20万円以上であれば全額、資本的支出
一方、階段を架け替えたり、別の場所に新たに階段を取り付ける場合は、資産の改良費となり、その支出額が20万円以上であれば、必要経費にはならず、資本的支出となります。この場合その支出額は建物の取得価額に加算され、建物の法定耐用年数により減価償却されます。
③不明な場合
形式基準により判定する場合には、階段の修理費用が60万円未満又は建物の前年末簿価の10%以下であれば、修繕費として必要経費に算入しても差し支えありません。

3.トイレの改修工事
①全面改装(和式から洋式への変更)
原則、資本的支出(例外3年周期・各工事にかかる金額が20万円未満)
②老朽化した設備のみの改装
原則、金額に関係なく全額修繕費(例外用途変更等の場合)

【用途変更を含む全面改装をした場合、原則、全額資本的支出となる】
全面改装の場合は明らかに資本的支出と考えられる。そのため、全体の工事が20万円未満か周期が3年以内以外のものについては、改修に係る費用の全額が資本的支出となる。
壁面や床等の改装費用が20万円以上である場合は建物(区分や耐用年数、償却方法は既存のビルと同一)、同じく20万円以上であれば、それ以外の便器、洗面台、鏡台等の改装費用は建物附属設備(衛生設備)で耐用年数は15年となる。

【老朽化した設備等のみの交換の場合は、原則、全額修繕費となる。】
(1)老朽化した便器の交換
従来と同一の素材のものと交換してもその交換費用は「部分品の通常の取替え費用」(法人税基本通達7-8-1(3))と考えられ、金額に関係なく交換費用の全額を修繕費とすることができます。ただし、従来と比べて良質な素材が使用されている場合や従来和式であったものを洋式にした場合などは、一台あたりの交換費用が20万円以上であれば全額が資本的支出(建物附属設備・衛生設備・15年)となり、20万円未満であれば「少額費用」(法人税基本通達7-8-3(1))として全額が修繕費となります。

(2)老朽化した壁面・タイルの交換
傷んでいる部分について従来と同一の素材を使用したものと交換した場合には、原状回復費用として交換費用の全額を修繕費とします。新しい良質な素材を使用したものと交換した場合には、その交換費用が20万円未満である場合を除いて、資本的支出(建物・既存のビルと同一)となります。

(3)老朽化した洗面台、鏡台等の交換
従来と同一の素材のものと交換してもその交換費用は「部分品の通常の取替え費用」(法人税基本通達7-8-1(3))と考えられ、金額に関係なく交換費用の全額を修繕費とすることができます。新素材・良質素材による場合の取扱いは便器の場合と同じとなります。

4.クロスの張替え等
原状回復費用として全額経費となります。
入居者が退室した後はお部屋のクリーニングや修繕をします。これらの支出が通常の範囲内であれば修繕費や消耗品費として必要経費となります。畳の貼り替えやクロスの貼り替えは通常の維持管理のために不可欠ですので、必要経費に入れても差し支えありません。

5.大規模修繕である外壁改修工事・塗装工事・防水工事
原則、修繕費となります。理由とすると、その工事をしなければ耐用年数の維持が難しいと考えられるからです。
①外壁の改修工事については、毀損部分の修理(例えばクラック等の発生に伴う防水補修)や、外壁の塗装は修繕費とすることが認められています。
②屋上防水工事についても、その前提として経年劣化による亀裂等の毀損が発生しているからこそ行われるものであり、原状復旧として修繕費とすることが認められると考えます。
③外壁の張替等についても外壁の塗替えと同様、現状維持のための支出として修繕費とすることが認められています。

6.一定年数を経過して使用に堪えなくなり、改修が必要となった給排水設備、電気備、ガス設備、冷暖房設備、消防用設備等附帯設備の改造工事
大規模修繕に合わせて行う部分品の交換、移設等のみの場合は修繕費となりますが、一つの用をなす設備を全体として更新・取替えする場合及びその設備の主要構造部の更新・取替え等の場合は資本的支出に該当するものと考えます。

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Q71 医療費控除などの所得控除について教えてください

A.所得控除として代表的なものは下記の控除がございます。ご質問の多い医療費控除についても記載しておりますので、ご参照ください。

(1)小規模企業共済に加入最大840,000円の控除(月額70,000円)
■適用を受けるための手続
生命保険控除証明書を確定申告書に添付します。但し、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。

(2)確定拠出年金を利用最大276,000~816,000円
企業年金等に加入されていない厚生年金の方・・・最大276,000円(月23,000円)
企業年金等に加入されていない国民年金の方・・・最大816,000円(月68,000円)
(国民年金基金と合わせて)

■適用を受けるための手続
掛金払込証明書を確定申告書に添付します。但し、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。

(3)国民年金基金に加入する最大816,000円(月額68,000円)
■適用を受けるための手続
国民年金基金払込証明書を確定申告書に添付します。但し、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。

(4)国民年金を過去10年分支払うH27.9月までは過去10年分まで支払うことが可能
日本年金機構では、後納制度の利用が可能と思われる場合は「お知らせ」をお送りしています。お知らせがこない場合は下記に電話するか、最寄りの年金事務所に申し込む必要があります。<国民年金保険料専用ダイヤル>0570-011-050
追納できる期間はH24.10月からH27.9月までの3年間です。
対象となるのは過去10年間です。また、国民年金を受給するためには、納付済期間や免除期間等の合計が原則25年(300月)必要ですが、平成27年10月以降は、10年(120月)に短縮される予定です。
H24.11月に送付されてくる控除証明書は、9月までの支払い実績とそれ以後の見込み額となっておりますので、今回の追納分は含まれておりません。そのため控除証明書と追納した領収書が、年末調整または確定申告で必要です。
■適用を受けるための手続
国民年金払込証明書を確定申告書に添付します。但し、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。(遡って支払った場合は、領収書を添付します)

(5)生命保険に加入最大10万円が、最大12万円の控除に変更
納税者が一定の生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを生命保険料控除といいます。
平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料と平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料では、生命保険料控除の取扱いが異なります。(対象外のものもあります。)
・身体の傷害のみに基因して保険金が支払われる傷害特約や災害割増特約などの保険料は、新制度では生命保険料控除の対象になりません。
・保険期間が5年未満で、貯蓄性の高いものは対象外になることもあります。

(1)新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額
平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。

年間の支払保険料等

控除額

20,000円以下

支払保険料等の全額

20,000円超 40,000円以下

支払保険料等×1/2+10,000円

40,000円超 80,000円以下

支払保険料等×1/4+20,000円

80,000円超

一律40,000円

(2)旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額
平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。

年間の支払保険料等

控除額

25,000円以下

支払保険料等の全額

25,000円超 50,000円以下

支払保険料等×1/2+12,500円

50,000円超 100,000円以下

支払保険料等×1/4+25,000円

100,000円超

一律50,000円

(3)新契約と旧契約の双方に加入している場合の控除額
新契約と旧契約の双方に加入している場合の新(旧)生命保険料または新(旧)個人年金保険料は、生命保険料又は個人年金保険料の別に、次のいずれかを選択して控除額を計算することができます。

適用する生命保険料控除

控除額

新契約のみ生命保険料控除を適用

(1)に基づき算定した控除額

旧契約のみ生命保険料控除を適用

(2)に基づき算定した控除額

新契約と旧契約の双方について

生命保険料控除を適用

(1)に基づき算定した新契約の控除額と(2)に基づき算定した旧契約の控除額の合計額(最高4万円)

(4)生命保険料控除額
(1)~(3)による各控除額の合計額が生命保険料控除額となります。なお、この合計額が12万円を超える場合には、生命保険料控除額は12万円となります。

■適用を受けるための手続
生命保険控除証明書を確定申告書に添付します。但し、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。

(6)地震保険に加入する最大15,000円の控除
■適用を受けるための手続
地震保険控除証明書を確定申告書に添付します。但し、年末調整の際に控除を受けたものは、その必要がありません。

(7)医療費控除を受ける最大で2,000,000円の控除
医療費の金額△110万円が控除の対象になります。
この医療費には生計を一にする家族の医療費も含まれます。または収入のある方が2名以上いる場合は、最大でそれぞれ200万円を限度に控除を受けることができます。

(例1)医療費、父親:5万円祖父:5万円息子:3万円の合計13万円
(この医療費を、一番所得の高い方から控除することが一番の節税になります。)

(例2)医療費、合計300万円の場合
父親(所得3,000万円)から210万円医療費控除を受けることができます。
息子(所得500万円)から90万円医療費控除を受けることができます。

(医療費控除の具体例)

1.風邪薬を買った場合
レシートに薬名が明示されていない場合は、薬のパッケージを切り取り、レシートに張りつけて提出しましょう。(原則、胃腸薬・下痢止めなどの医薬品はOK・ガーゼ・絆創膏などの医療消耗品もOK)

2.ビタミン剤を買った場合
疲労回復や健康増進のための錠剤・ドリンク剤その他の薬剤については、治療又は療養のために必要なものと認められません。また、通常薬事法に定められている医薬品以外のものは医療費控除の対象とはならないため、ビタミン剤は、疲労回復、健康増進かつ薬事法に定められている医薬品には該当しませんので、医療費控除とは認められません。
ただし、医師等による診療又は治療のために必要と認められ、医師等の処方に基づく場合には、医療費控除の対象となります。
これは、目薬・腰痛のための湿布・漢方薬等についても同様の考え方となり医師の処方箋があるなど治療ための場合の対象となります。

3.ハンドクリームなどを買った場合
薬局・薬店などで販売されている「薬用○○」と書かれた薬用品は医薬部外品が多く、薬事法に規定された「医薬品」には該当しないことから医療費控除の対象とはなりません。
これは、薬品ハンドクリームのほか薬用石鹸・薬用化粧品なども同様です。また医薬部外品として、上記のほか、脱毛剤・育毛剤なども該当します。

4.入院時のクリーニング代金
医師等による診療を受けるための入院に伴う部屋代、食事代等の費用で通常必要なものは、原則として医療費控除の対象となります。
従って、シーツは通常病院側が用意することから医療費控除の対象となります。なお、シーツのほか枕カバーなどのクリーニング代は認められますが、患者自身のパジャマ等寝具に関するクリーニング代は医療費控除の対象として認められません。

5.入院中の食事代(出前・外食など)を支払った場合
通常、病院に対して支払う入院患者の食事代は入院費用の一部となりますので、医療費控除の対象となります。
また、弁当代のほか果物・菓子類・外食代・出前代などは通常支払う入院費用の一部とは認められませんので、医療費控除の対象とはなりません。

6.通院のための交通費は医療費控除の対象
①電車代金・・・○
②ガソリン代金・・・×
③ホテル等の宿泊費・・・×
④飛行機代金・・・○(難病等の合理的な理由が必要です。)
⑤高速代金、駐車場代金・・・×
⑥タクシー代金・・・×(※例外急病や足の怪我等によるタクシーの利用のほか、通院する病院等の近隣に公共交通機関がないために、タクシーを利用せざるを得ない状況にある場合に利用するタクシー代についても医療費控除の対象となります。但し、例えば電車やバスがあるにも関わらず、待つのが面倒だからという理由でタクシーを利用する場合などの一般的なタクシー利用の場合には、そのタクシー代は医療費控除の対象とはなりません。)

7.家族の通院費用を支払った場合
原則、対象外です。(治療を受けるものにかかる交通費が対象です。)
しかし、患者自身の状態(年齢や病状など)から考えて患者一人で通院させることが危険な場合については、患者のほか付添い人の交通費も通常必要と認められる費用は、医療費控除の対象となります。

8.クレジットによる支払いの場合
医療機関にカードでお支払をした年の医療費控除となります。
また融資によりお支払いの場合も、月々の返済日ではなく医療機関に医療費を支払った年に医療費控除を受けます。

9.歯科治療で、自由診療を受けた場合(※例金歯)
歯の治療については、その治療のために広く一般的に使用されている材料を使用するのであれば、たとえその材料費について保険が適用できずに高額な治療費を払うことになったとしても、医療費控除の対象となります。

10.歯科治療で、矯正治療を受けた場合
美容目的は対象外ですが、医学的に必要と認められる場合は医療費控除の対象となります。(不正咬合・顎の偏位による顎関節症などの病因などの場合は認められます)

11.電動ベッドを買った場合
医師等による診療等を受けており、かつ、治療上必要な場合で医師の指示に基づき購入した場合であったとしても、医師等による診療等を受けるために直接必要なものでなければ医療費控除の対象とはなりません。これは、電動ベッドのほか、トイレの暖房工事費など療養のための自宅改装費なども同様の考え方となります。

12.家政婦を雇った場合
保健婦、看護婦又は准看護婦以外であっても、療養上の世話に要する費用は、医療費控除の対象となります。これは、療養の場所を問わず認められていますので、自宅であっても病院であっても医療費控除の対象となります。
但し、療養のための直接的な費用ではない家事の手伝い、心づけは医療費控除の対象とはなりません。また、親族も対象外となります。家政婦とは、労働の対価の支払を前提としている人をいい、労働の対価の支払を前提としていない親族は含まれません。

13.おむつ代金を支払う場合
対象となります。
このおむつ代について医療費控除の対象とするためには、次の書類を確定申告に添付しなければなりません。
①医師が発行した「おむつ使用証明書」(注)
②おむつ代の領収書
(注)上記①の書類については、公的介護保険の保険給付対象者(40歳以上)のうち、おむつ代について医療費控除を受けるのが2年目以降である者については、上記に代えて次のいずれかの書類により、寝たきり状態にあること及び尿失禁の発生可能性があることが確認できれば、医療費控除として認められます。
(a)市町村が介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく要介護認定に係る主治医意見書の内容を確認した書類
(b)主治医意見書の写し

14.車イスを購入した場合
対象となりません。
所得税法の基本通達には、医療費控除の対象となる医療費の範囲の中に、「自己の日常最低限の用をたすために供される義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯等の購入のための費用」が含まれています。
ただし、これらの費用については必ず医師等による診療等を受けるため直接必要な費用でなくてはならないことも同通達に明記されています。

15.血圧計を購入した場合
対象となりません。
ご自身、あるいはご家族の健康管理のための血圧計の購入費用は、医療費控除の対象とはなりません。

16.病院の差額ベッド代を支払った場合
対象となりません。
ただし、病状のためや病院の都合で個室を使用する場合は、医療費控除の対象となります。

17.母親学級や無痛分娩講座などの費用を支払った場合
これらの費用は、医療行為ではないので医療費控除の対象とはなりません。
【里帰り出産の帰省費用】
実家に帰省することは、医師等の診療等を受けるために直接必要ではありませんので、
医療費控除の対象とはなりません。ただし、実家から病院への通院代は、医療費控除の対象となります。

18.出産時の保証金を徴収された場合
入院する際に、病院から保証金を請求されて支払ったものについては、退院する際の精算時の年に医療費控除を受けます。病院に差し入れる保証金は、何かがあったときのための病院側の保険的なものであり、医療の支払いの対価ではないためです。

19.所得税の扶養控除の対象としていない者の医療費の扱い
生計を一としていれば、医療費控除の対象となります。
医療費控除は、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合に適用されるため、生計を一にする配偶者その他の親族であれば、医療費控除の適用を受けることができます。
例えば、父と母、子の3人が生活を一にして、母は父の配偶者控除の対象だとしても、子が母の医療費を負担すれば、子の医療費控除の対象となります。

20.カイロプラクティックを受けた場合
カイロプラクティックによる施術は、医師・マッサージ師・柔道整復師などが行う場合のほか、これらの資格がない人が行う場合もありますので、一概には医療費控除の対象となるとは言い切れない部分があります。
ただし、その施術が治療目的であり、これらの資格を有する人が行う場合であれば、医療費控除の対象となります。

21.レーシックの手術代金を支払った場合
近視矯正手術、手術前後の検査費用等含めて医療費控除の対象となります。

22.メタボ対策指導料を支払った場合
対象となります。

23.人間ドックの費用を負担した場合
人間ドッグの費用、健康診断の費用は、原則対象となりません。但し、健康診断を受けたら重大な病気等が発見され、引き続き治療を受けなければならなくなった場合には対象となります。

24.医師や看護士への謝礼をした場合
医療の対価ではないため医療費控除の対象になりません。

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Q72 事業承継の対策について、どういう点を意識していけばよいでしょうか?

A.以下に事業承継の際に意識すべき点を記載いたしました。

1.対策は早目、早目に実行します

・時間がかかることを理解いたします。
・後継者の心構えを教えます。
・株価が上昇することもあります。
・遺言書は書き換えます。
・相続発生は予想できません。

2.遺産分割のトラブルは絶対に回避します

3.対策の実行は専門家に任せます。
・ノウハウが重要であり、採算さえあえばコストはかかるものと心得ます。

4.対策は本人自身が決断しないと始まりません。

5.事業承継対策はオーナーの社会的な責任です
・会社はオーナーが守ります。
・会社の従業員とその家族のために
・本人の配偶者や家族の生活安定のために

オーナーの皆様へ

最近事業承継について下に挙げたようなお悩みはないでしょうか?
一般的な対策法を論じることはできますが、お客様個々で事情や状況が異なるため、
これが一番良い方法だと断じることはできません。
ぜひ早めに専門家にご相談されることをお勧めいたします。

弊社ではこうした「事業承継問題」に関して専門の税理士コンサルタントが
いつでもご相談に応じております。どうぞお気楽にお申し出下さい。

1.世間で「近頃自社株の評価が高くなって困っている」という話をするが、我が社はどうだろうか?
・具体的に相続税評価上の株価を計算して欲しい。
・今後ほっておくと株価はどうなっていくのか?
・子供・孫にこの会社をうまくバトンタッチしていきたいが、現状問題点はあるか?
又は何か打つべき手は?
・80歳の会長がまだほとんどの株を持っているが?
・名義株も含め株主が多く、経営権の点で将来に不安。
・亡くなった社員の持ち株を引き取りたいが?

2.株価評価について短期・中期・長期的な方針をどう考えたら良いか?
・評価を下げる又は上がりにくくする方法は無いのか
・分社経営というような話を聞くがどんなことなのか?
・「従業員持ち株会」を作りたいが具体的な手続きは?
・3年前に別会社をつくり、株を移動しているが効果は?
・最近「土地保有特定会社」と言われたが何のことか?
・自己株式の償却により現金を取得したいが有利な方法は?

3.今後の事業展開の中で事業承継問題も合わせて考えたい。
・独立採算の強化・賃金体系の差異・兄弟間等の理由で製販分離したいが、よい方法は?
・ここ3年間の設備計画は株価にどう影響するか?
・将来の上場を展望した諸対策・対策作り又は予備調査は?

4.法人・個人の資産保有関係が複雑になっている。どう整理すれば?
・借地権は発生しているか
・本社移転後の跡地の有効利用は?
・会社への貸付金の整理方法は?

5.株式交換・株式移転制度が創設されたが株価対策との関係は?
・会社分割・合併の再編税制が創設されたが、株価対策との関係は?

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