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●医療法人のメリットとデメリット

医療法人設立の10個のメリットとは?

個人事業を行っている場合、会社組織にした方が有利なのではないかと誰しもが考えるものです。
そこで、個人事業主の場合と医療法人との場合の比較をしてみましょう。

●法人成のメリット

 

個人事業主の場合

法人成した場合

(1) 青色申告特別控除と役員報酬

青色申告特別控除を適用しても、最大で65万円しか控除できない。

理事長の給料を、役員報酬として設定するのでサラリーマンと同じく給与所得控除を最大195万円(扶養の子供がいる場合は210万)受けられる

(2) 保険契約

一般の生命保険と個人年金保険を合わせても、最大で12万円しか控除できない。

一定の定期保険部分に関しては、基本的に全額経費に算入できる。(保険金の受取人が法人の場合)

(3) 減価償却の方法

強制償却しなければならない。
車の償却は50%から90%ぐらいまでしか償却できない。

・年によって減価償却費の計上をしないこともできる。税法上は事実上の利益調整が可能となる。
・引継ぎ資産については中古耐用年数になるため償却が大きい。
・法人名義にすると車の償却は100%にならざるを得ない。

(4) 退職金及び社宅

本人及び配偶者に支給できない。

・本人及び配偶者に退職金を支給できる
・賃貸マンションの一部の家賃を経費にできる。(社宅化できる)

(5) 資金援助及び譲渡

・原則借入れとなるため利息をとる必要がある。返済する必要がある。

・暖簾代の差益は譲渡所得となり50万を引いた残りの1/2が給与等と合算され課税される。
・所得が1/2となるため最大で27.5%の課税ですむ。

・基金という形をとれる。
出資持分という概念がないため譲渡することが不可能。(旧医療法人は可)
退職金等により実質売買する必要がある。

(6) 赤字の繰越控除

所得が赤字になった場合、3年間だけ繰越控除できる。

損益が赤字になった場合、10年間繰越控除できる。

(7) 所得税と法人税の税率

累進税率(5%~40%)が適用されるので、1800万を超えると国税・住民税を合わせて50%の税率になる。
4000万を超えると国税・住民税を合わせて55%の税率になる。

医療法人だと、税率は一定(利益が800万円まで15%)なので、利益が1800万を超えても最大で住民税・法人税合わせて30%くらいとなる。

(8) 医療法上

・分院を持てない。
・管理者を変更する場合は一定の場合(例、勤務医、親子間等)を除き、保険医の指定につき空白の期間が生じる。
・管理者の変更は、診療所の廃業と開業になる
管理者の変更は原則、新規扱いになり行政指導を受ける可能性がある。

・分院を持つことが可能。
・管理者が変更した場合は、管理者と理事の変更のみで足り、保険医の指定についても空白ができない。
・原則、管理者の変更は新規扱いにならない。

(9) 事業承継問題

・管理者及び開設者の変更をする必要あり。
・医業の利益による貯金は当然、医業にかかる資産も他の財産を合わせて相続税の対象となる。

・理事長を変更。
・理事長と管理者は相違してもかまわないため、承継前に管理者のみ変更して理事長として合法的に報酬をとることが可能。
・内部留保した財産には相続税がかからない(拠出した基金のみに相続税がかかる)

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