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●よくある事例とその解決策(診療所の事業承継編)

Q3.「診療所・病院の事業承継はどういう流れになりますか?」

A.事業承継につきましては買収のケースや相続のケース、医療法人かそうでないかなど、それぞれにおいて留意点がございます。以下でご紹介いたします。

1.買収による承継
2.相続による承継
3.新医療法について
4.必要書類の記載例と留意点

1.買収による承継

*買収には、医療法人の出資持分の買取りまたは営業権(医療法人または個人診療の両方のパターンがあります)の買取りがあります。

1.医療法人の買取り
①出資持分とは?
株式会社でいう株式に近いものです。
②医療法人の理事とは?
株式会社でいう取締役に近いものです。
③医療法人の社員とは?
株式会社でいう株主に近いものです。

2.買収先の法人は、一般的に持分の定めのある社団医療法人になります。
また、持分のない社団法人は、経営者の支配権という概念がないため、買収の際は、現理事長に退職金の支払いが行なわれると思われます。

3.営業権の買取
1.その診療所・病院にて診療をする権利
2.契約にて引き継ぐことを選択した資産・負債(事業譲渡契約により)を承継します。

*医療法人の出資持分の買収は、一般的には出資持分の譲渡と理事・社員の変更により行われます。
①出資持分の譲渡出資者との個別契約を締結いたします。
②社員の変更社員総会により決定いたします。
③理事の変更社員総会により決定いたします。
④具体的な手順として
 1.出資者と出資持分の譲渡につき覚書を締結いたします。(覚書を締結)
 2.出資持分の譲渡契約を締結いたします。(持分譲渡契約を締結)
 3.出資持分を譲渡いたします。
 4.臨時社員総会にて社員を変更いたします。(臨時社員総会を開催)
 5.臨時社員総会にて理事を変更いたします。(臨時社員総会を開催)
 6.臨時取締役会にて理事長を変更いたします。(臨時理事会を開催)
⑤社員の入社と退社には社員総会の承認が必要です。(ただし、社員の入退社は、管轄県庁に報告義務がありません)
⑥理事・監事の就任も同様に社員総会が必要です。(監事・理事の入退社は、管轄県庁に報告義務があります。(役員変更届けを作成いたします)

*営業権の買取
①覚書を締結いたします。
②事業譲渡契約書の締結いたします。
③譲渡代金の振込みいたします。

*医療法人を買収する際の譲渡代金のおおまかな分類としては、出資持分の譲渡代金・理事の退職金・病院の不動産の買取りといったケースが多いです。不動産の買取は医療法人が所有せずに理事長等の名義になっている場合をさします。

1.医療法人が所有している資産の査定(医療法人名義のもの)
2.負債(医療法人名義のもの)(連帯保証人問題・担保の問題)
3.不動産(医療法人が賃借しているもの・継続的に賃借する場合もあり)
4.営業権(算定方法の問題がございます)

*営業権を買収する際には譲渡代金として下記を考慮します。
(医療法人の場合)
1.退任する理事の退職金
2.営業権
3.事業譲渡契約より対象となった資産・負債の代金
(個人診療の場合)
1.営業権2. 事業譲渡契約より対象となった資産・負債の代金

*税金
①医療法人の持分の譲渡は株式の譲渡という扱いになり所得税15%・住民税5%がかかります。(申告分離課税)
②個人所有の不動産の譲渡は、長期所有の場合は所得税15%・住民税5%となります。
③退職金は、退職所得控除後の金額の1/2に所得税・住民税がかかる形になります。申告分離課税となります。
④個人所有の営業権の譲渡(所有が5年超の場合は長期総合譲渡所得に、5年以下の場合は短期総合譲渡所得になります)
原則、保健所に提出する開業届けに記載した開業日を起算して所有期間を計算します。
⑤個人所有の医療機器の譲渡(購入日からの所有が5年超の場合は長期総合譲渡所得に、5年以下の場合は短期総合譲渡所得になります)
⑥医療法人の所有の営業権・医療機器の譲渡
他の所得と合算して計算します。

2相続による承継

*1.個人診療所
①不動産
宅地小規模宅地等の評価減の適用(特定の事業用宅地等の特例)
②医療機器
減価償却の帳簿価額を基に計算します。
③開設者と管理者の変更

*2.法人
①出資持分(類似業種比準価額方式または純資産価額方式)
②理事・理事長と社員の変更
理事は社員総会のより、理事長は理事会により選任
社員は社員総会により選任
株式会社と相違し、出資持分の大小ではなく、議決は社員一人につき1票となっております。
また、出資持分を相続したからといって当然に社員にはなれません。
あくまでも社員総会の承認が必要です。
③出資持分の払い戻し
死亡した社員の出資持分に応じて払い戻しを受けることもできます。

3.新医療法

*1医療法人社団について
・今後、持分を持つことは不可能となりました。
・平成19年4月1日以降の設立の医療法人は、すべて持分の定めのない社団医療法人となりました。
・持分がないことから以前は認められていた残余財産分配請求権がないことになります。
・選択により基金制度が利用できます。
基金通常の財団と相違し基金であっても返還あり
返還する金額の限度は、株式会社でいう分配可能額にほぼ近いものです。
ただし、返還される金額は、出資時の財産の価額となります。
したがって、含み益や創業時からの累積利益は分配されません。
・自益権利益配当請求権・残余財産分配請求権・新株引受権・株式買取請求権は医療法人にはないことになります。
・共益権以前も同様ですが、株式会社と相違し社員ひとりにつき1票となります。

*2解散時の残余財産について
解散時には財産は地方公共団体または他の医療法人との合併等により没収されます。

*3持分の相続時の評価についておそらく劣後債権としての評価だと思われます。

以前の社団法人の持分は、類似業種比準価額方式や純資産価額方式により評価しておりました。

4.必要書類の記載例と留意点

以下に医療法人の出資持分の買収の際に必要となる覚書などの書類の記載例と留意点を掲載いたします。ご参照ください。

覚書

藤井和哉(以下甲という。)と医療法人社団A(以下乙という。)は、医療法人社団B(以下丙という。)の経営権の譲渡についてこの覚書を作成し、次の諸項目について合意する。

*経営権の譲渡は、必然的に出資持分の譲渡、社員の交代、理事、理事長の交代を意味します

(取引の内容)
1.甲は、丙(所在:東京都千代田区神田神保町1-40-2F)の経営権を乙に譲渡することを約し、乙はこれを譲り受けるものとする。
*都道府県によって出資者を個人とするように指導しているところもありますので、その場合は、譲受人を個人にします。
*社員資格は個人であることが要件とされています。ここで言う社員とは株主のことを指します。一般の株式会社と相違するのは、一人一票ということです。

(出資持分譲渡の形態)
2.丙の経営権を譲渡するため、次の取引を行う。
丙の出資持分については、甲がその責任において、出資持分の譲渡の日までに各出資者の同意を取り付け、すべての出資持分を乙に譲渡するものとする。
甲と乙は、丙の経営権譲渡に関する法形式等を検討のうえ、その都度、必要な手続を行うものとする。また、丙所有の財産並びに許認可届出書類、帳簿書類、印鑑など経営に必要な一切の引継ぎは出資持分の譲渡の日に行う。

(出資持分の譲渡の日)
3.2に定める出資持分の譲渡日は平成年月日とする。

(経営権対価)
4.1に基づく経営権の対価は、平成年月日現在の丙の試算表(別添)を前提とし、丙の出資持分および甲の所有不動産、退職金を含め、その総額をもって定めるものとする。なお、平成年月日までの試算表数値の主要な変動(合理的に予測される将来の変動を含む。)は、これを経営権の対価算定に加味するものとする。最終的な経営権の対価については双方協議のうえ、平成年月日を目途として定めるものとする。

(従業員)
5.丙の医師、歯科衛生士、事務職員その他従業員については、原則として現行の職員・労働条件等を継続するものとする。

(守秘義務)
6.乙は調査により知り得た事柄について守秘義務を負い、故意に又は不用意に第三者に
対して情報漏洩を行った場合、乙は損害賠償義務を行う。なお、取引不成立時には甲及び丙の提供したすべての資料を返還するものとする。

(善管注意義務)
7.本覚書取り交わし以後、1の取引が完了するまでの間、甲は従前通り善良なる管理者としての義務を負う。

(丙の債務等に係る契約)
8.将来、丙が税務上の更正処分等を受けて納税義務その他の債務を負担することとなった場合、簿外の債務の存在が明らかになった場合、その原因が平成年月日以前に存するときは、甲はその支払義務を負う。
また、平成年月日時点における引継資産に架空資産があることが事後に判明した場合、甲が同額の補填を行うものとする。

*架空債務等があった場合は甲が個人的に債務を負担することになります。

(その他)
9.この覚書に記載のない事項については、甲乙協議のうえ取り決めるものとする。

 

                                   平成 年 月 日

                    甲(住所)
                     (氏名)                        
                    乙(住所)
                     (氏名)

 

 

医療法人社団 持分譲渡契約書

譲渡人    (以下甲とする。)と譲受人 (以下乙とする。)
とは、下記要領にて医療法人社団  (所在:           )の 出資持分を売買することに同意した。
*出資者が複数いる場合は、すべてのかたと契約を締結します。

1 種  目       医療法人社団   
2 持分の金額               円
3 譲渡価格       金        円
4 受 渡 日    平成 年 月 日
5 受渡条件    甲が乙に持分を引き渡すと同時に、乙は全額を支払うものとする。
上記契約成立の証として、本契約書二通を作成し、甲乙各自記名押印のうえ各々一通を保有する。

   平成 年 月 日

                    甲(住所)
                     (氏名)                        
                    乙(住所)
                     (名称)

 

 

臨時社員総会議事録

日時    平成 年 月 日 午後0-1時                
場 所    千代田区   医療法人 ○○の会議室にて
出席者    社員 ○○ 社員 ○○ 社員 ○○ 社員 ○○ 社員 ○○
(本社団社員総数5名のうち、5名出席)
本社団定款第20条の規定により理事長 ○○が議長となり、定款第2
1条に規定する必要な定足数に達したことを確認したのち、0時00分開
会を宣し、議事に入った。
第1号議案 社員の入社及び退社の件
議長は下記のものより入社の申し出と退社の申し出があったことを説明し、議場に諮ったところ下記原案の通り満場異議なく承認された。
入社する社員
退社する社員
以上をもって臨時社員総会の議事を総て終了し、午後1時40分議長は閉会を宣した。

上記の決議を確認するためこの議事録を作成し、記名押印する。

 

         (議長)                印
         (社員)                印
         (社員)                印
         (社員)                印
         (社員)                印

 

臨時社員総会議事録

日時    平成 年 月 日 午後1時-1時40分                 
場 所    千代田区   医療法人 ○○の会議室にて
出席者    社員 ○○ 社員 ○○ 社員 ○○ 社員 ○○ 社員 ○○
(本社団社員総数5名のうち、5名出席)
本社団定款第20条の規定により理事長 ○○が議長となり、定款第21条に規定する必要な定足数に達したことを確認したのち、1時00分開会を宣し、議事に入った。
第1号議案 理事及び監事の選任の件
議長は理事及び監事の役員全員が平成 年 月日をもって辞任することになるので、その後任の選任の必要がある旨を述べ、その選任方法をはかったところ出席社員中から議長の指名に一任したいとの発言があり、一同これを承認した。議長は下記の者をそれぞれ指名し、その可否を議場にはかったところ、満場一致をもってこれを承認可決した。なお、選任された理事及び監事はすべて、その就任を承諾した。
理事 ○ 理事 ○ 理事 ○ 監事 ○
以上をもって臨時社員総会の議事を総て終了し、午後1時40分議長は閉会を宣した。

上記の決議を確認するためこの議事録を作成し、記名押印する。

         (議長)                印
         (社員)                印
         (社員)                印
         (社員)                印
         (社員)                印

 

医療法人社団 ○○ 理事会議事録

1.日 時  平成 年 月 日  午後 時  分- 時
2.場 所        医療法人 ○○会議室において
3.出席者     理事 ○ 理事○  理事○
(本社団理事総数3名のうち、名出席)
出席理事全員の互選により○○が議長となり、定款所定の定足数に達したことを確認したのち、1時40分に開会を宣言し議事に入った。
第1号議案 理事長選任の件
議長は、理事長○○の辞任の申し出があったため、後任の理事長を選任する必要がある旨を述べ、その結果全員一致をもって次の通り選任した。
被選任者はこの就任を承諾した。
理事長   ○
なお、被選任者は、この就任を承諾し。
以上をもって理事会の議事を総て終了し、午後2時00分議長は閉会を宣言した。

上記の決議を確認するためこの議事録を作成し、記名捺印する。

       理事                        ㊞
       理事                        ㊞
       理事                        ㊞

 

医療法人社団 ○○ 理事会議事録

1.日 時  平成 年 月 日  午後 時  分- 時
2.場 所        医療法人 ○○会議室において
3.出席者     理事 ○ 理事○  理事○
(本社団理事総数3名のうち、名出席)
出席理事全員の互選により○○が議長となり、定款所定の定足数に達したことを確認したのち、1時40分に開会を宣言し議事に入った。
第1号議案 理事長選任の件
議長は、理事長○○の辞任の申し出があったため、後任の理事長を選任する必要がある旨を述べ、その結果全員一致をもって次の通り選任した。
被選任者はこの就任を承諾した。
理事長   ○
なお、被選任者は、この就任を承諾し。
以上をもって理事会の議事を総て終了し、午後2時00分議長は閉会を宣言した。

上記の決議を確認するためこの議事録を作成し、記名捺印する。

理事                        ㊞
理事                        ㊞
理事                        ㊞

 

事業譲渡契約書

譲渡人                 (以下、「甲」という)と
譲受人                  (以下、「乙」という)は、
甲が経営する「○○診療所」の事業譲渡について、次の通り契約を締結する。
(事業の譲渡)
甲は、乙に対し、○○診療所の事業を譲渡し、乙はこれを譲り受ける。
(事業譲渡に含む資産)
事業譲渡に含む資産は、別紙目録記載のとおりとする。(譲渡時の現況資産によります)
*引き継ぐ資産を列挙し、製品番号・写真等により限定・指定できるようにします。
(労働契約)
1. 甲と乙は、乙において、甲が従業員との間で締結した労働契約を一切承継しないことを確認する。
2. 甲は、○○診療所において雇用していた全従業員を平成  年  月  日で解雇し、乙は上記従業員の中から任意のものを同年 月 日付で新規に雇用する。
* 最近の判例ですが、譲受会社に労働契約は承継されず、譲渡会社の従業員は雇用契約を再度、譲受会社と新たに雇用契約を締結するかたちになります。
* 上記の場合は甲と乙とは、乙において甲が従業員との間で締結した労働契約を一切承継しないものとします。したがって甲は雇用していた全従業員を○○日付で解雇し、乙は、再度、上記従業員と雇用契約を締結するものとします。
(事業譲渡代金)
 乙は甲に対し、本事業譲渡の代金として○○円(消費税込み)を   日 までに支払うものとする。

(賃貸借契約)
甲と乙は、本事業譲渡に伴って、甲から乙に対して○○診療所にかかる建物賃借権を譲渡し、合わせて、建物所有者の承諾を得たことを確認する。
*賃借の場合はオーナーに了承・確認を取る必要があります。
(債権債務の処理)
○○診療所にかかる未収入金その他の債権及び未払い金、預かり金その他の債務は、すべて甲において清算するものとし、乙はこれらの債権債務は一切承継しない
* ここでは、債権・債務は一切引き継がない契約にします。
* 営業譲渡の場合、特定の資産・負債を引き継ぐことも可能ですが、債権債務を一切、引き継がない方法が簡便的です。
* 当然ながら簿外債務が発生した場合、売主側の責任になります。
(治療中及び治療済み患者への対応)
甲が○○診療所において、治療中及び治療済みの患者に対して約束した、瑕疵修補及び損害賠償その他の債務については、甲の責任と負担で処理し、乙はこれらの債務及び責任を一切承継しない。
*売主が行なった過去の診療につき、売却後医療事故が発生した場合等もすべて売主の責任とします。
(競業避止)
甲は、本契約締結から2年間、○○診療所から半径2km以内で、○○医院の経営に関与しないことを確約する。
(事業の引渡し)
本事業の引渡しは、平成 年 月 日とする。

(守秘義務)
 甲及び乙は、本件事業譲渡契約から得られた相手方の情報を秘密として保持し、相手方の文書による承諾なくして、第三者に漏えいしない。また、患者の個人情報については、個人情報保護法等関係法令に則り、厳格に対応する。
(解約)
 当事者は相手方が正当な事由を有することなく本契約を履行しないときは、この契約を解除し、相手方に交付した金員の返還を求めるとともに、損害賠償を請求することができる。
本件事業譲渡契約の成立を証して、本書2通を作成し、譲渡人及び譲受人記名押印のうえ、各1通を保有する。


                               平成  年  月   日
住        所  
甲( 譲渡人 )氏名                    ㊞
住        所
乙(譲受人) 氏名                     ㊞

 

「営業権はどのくらいの金額が目安となりますか?」

ケースバイケースですが下記に留意点を記載します。
(前提)1. 土地等の不動産は含みません 2.賃貸の場合の保証金は含みません
月の売上の3ヶ月から6ヶ月分程度を目安に考えればよいでしょうか
その際、下記に留意します
1.カルテの入手は可能か?患者を引き継げる体制があるか?案内状に前院長の氏名を記載できるか?
(旧院長のバックアップが必要です)
2.旧院長からの引継ぎ期間はあるか
個人診療所を買い取る場合、社会保険の認定医の申請の手続き上、原則、新しい管理者が6ヶ月前から勤務医か、旧管理者が非常勤にて勤務しない限り、1ヶ月間保険請求できなくなります。
3.なぜ売却するのか?その理由は?
病気・死亡・高齢化・院長の転職・業績不振など理由を確認します。
4.診療所の賃貸借契約につき大家の了解は得られるか
家賃の金額は同額か?保証金は必要か?契約期間は?
5.確定申告書の3年分のコピーを入手できるか
税務資料を確認することで売上や経費の確認を行います。
6.3年分の社会保険・国民健康保険の支払調書を入手できるか
支払調書を確認することで社会保険診療収入の確認を行います。
7.償却資産の申告書の3年分のコピーを入手できるか
申告書を確認することで診療所内にある資産の確認を行います。
8.現物を確認し、医療機器・内装やユニットなどの医療機器はそのまま使えるか
新しい場合は譲渡代金の査定プラス、古い場合はマイナス査定となります。
実務上は通常、耐用年数が経過している医療機器等が多いため資産価値はほとんど無い場合が多いです。
9.買収側は資金の回収はおおよそ5年から10年くらいで行なうつもりがよいでしょう。
10.リース物件はないか?(ある場合は、買取か、契約の引継ぎが必要です)原則は、買取になるケースが多いです。(連帯保証人の問題等)
11.従業員の引継ぎ(一度、解雇の形をとり、再度、入社の形をとります。引継ぎに賛成しなかったり、新院長と合わない従業員は引き継がない。給与、退職金、賞与の支払は必ず、前医院で精算する形をとる)
12.簿外の負債があった場合は、必ず前の医院の責任のもと返済するようにする。
営業譲渡契約につき、簿外債務の責務については前医院の責任である旨の記載をします。
13.前医院の治療についての損害賠償等は、前医院が責任を負う形にします
営業譲渡契約につき責任の所在を書き込みます。

 

                              法人№       .
年  月  日
東京都知事           殿
主たる事務所
の所在地
届出者     名    称
理事長氏名                 印
電話番号  (  )
ファクシミリ番号  (  )

医療法人役員変更届

役員に変更があったので、医療法施行令第5条の13の規定により、下記のとおり届け出ます。

1 変更した役職名
2 就任者氏名
3 辞任者氏名
4 変更理由
5 変更年月日       年    月    日

添付書類
1 役員改選を行った社員総会(理事会)の議事録の写し(原本と相違ない旨の理事長の証明があること。)
2 履歴書(新たに就任した役員)
(注)医療法第46条の2第2項等の規定に抵触しないこと。
3 役員就任承諾書

(注)1 上記書類のほかに、下記の書類も添付してください。
   ① 新役員の印鑑証明
   ② 辞任者の辞任届(任期途中の場合。死亡の場合は、死亡を証明する書類(写))
   2 提出部数2部(法人の控として1部が収受印押印後返却されます。)
   3 届出者の印は、法人の代表印を押印してください。

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