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●中期事業計画書の作成

1.環境を考える

社内環境要因を自社の強みとなる機械要因と、弱みとなる脅威や不測の事態となりえる要因に分類します。その2つの視点を対比させることによって事業計画の方向性も確認できるでしょう。これまでは利点だけが強調され弱点は見逃されがちだったと思われます。

以下の要因について考えます。

  • 間接的な要因の強み
  • 間接的な要因の弱み
  • 直接的な要因の強み
  • 直接的な要因の弱み
  • 脅威(弱み)に対する対応計画
  • 機会(強み)に対する適応計画

これらのものを実際に書き出し把握することが重要になります。

経営力を分解して評価

下記のように6つの要素に分解してみましょう。

  • 経営管理力
  • 財務力
  • 組織力
  • 生産・販売力
  • 技術力
  • 企画力

この6つの要素を7段階の評価をしてみましょう。

たとえば、・非常によい・かなりよい・ややよい・どちらでもない・やや悪い・かなり悪い・非常に悪いというような感じで点数をつけてみるとよいです。評価の決め方は自分自身の判断で良いです。一番大事なことは自社の強みと弱みを頭の中にインプットしておくということなのです。

2.弱み解消を考える

外自社の強みを生かすだけではなく弱みを解消していくことも考慮にいれないといけません。
弱みは事業計画を進めていく上でネックとなるからです。一時的な改善療法ではなく長期的な視点で企業革新を進めていくことが必要です。企業革新を図りながら長期的に展開できる事業計画を進めていくという考え方が重要となります。
企業確信のテーマですが・・・

  1. 製品化と事業化・・・顧客ニーズに合った製品開発と開発に伴う組織づくりをどうするか?
  2. 業務と経営・・・・・事業および日常業務をスムーズに進めていくためにはどのような改善をしていかないといけないか?
  3. マインドと行動・・・業務を遂行するためのやる気と行動をどうしたら起こせるのか?

これらことを考えながら次の項目に分類し自社の改善テーマを考えましょう。

①企業文化革新
②人事革新
③技術革新
④マーケティング革新
⑤品質革新
⑥事業革新

上記1~3の内容ごとに①~⑥すべての事柄を考え弱みを解消していくことになります。

3.企業を取り巻く環境を検討する

外部環境の分析をしていきます。業界(競合他社)の動向と市場の動向の2つの視点からとらえ考えようとしている事業計画テーマが参入できる可能性を探っていきます。これらのことを探っていくのは一般的に現事業拡大の場合は安定型・安全型に対し異業種参入型は冒険型・で危険度も高いといえるからです。
自社の事業拡大を試みるためにはこれから参入しようとする業界の中で自社の優位性を決定づける要因を探し出さなければなりません。

業界の動向を知るための調査項目

  1. 業界にかかわる経済動向のチェック・・・輸出入、生産、在庫、金融等のさまざまな指数から業界全体の景気をつかむ。
  2. 販売シェアのチェック・・・業界紙等で公開されますが独自の方法で統計を取ることが重要です。
  3. 自社競合他社製品の普及率および地域別普及状況のチェック・・・これを調査することで競合他社にくい込める可能性を探るとともに各社の販売状況やエリアごとの販売時期・アフターフォローを確認する。
  4. 参入企業と収益性のチェック・・・マーケットシェアを確認しどのような手法で競合他社に勝てるのかを確認する。
  5. 各社の技術開発動向・・・現段階での技術開発課題とクリアーされる時期を確認する
  6. 各社製品の価格動向・・・各社の商品別価格推移を確認する。

市場規模調査のチェック項目

  1. 商品別市場動向のチェック・・・経済動向に合わせて統計的に把握する。生産台数の伸長または伸び悩みの要因を検討する。
  2. 需要動向のチェック・・・地域特性や消費者の購入動機、職業、年収別などを調査する。各社の商品特性も把握する。
  3. 商品動向のチェック・・・商品タイプ別・メーカー別。年代別等商品特性の傾向を分析する。
  4. 注目商品の概要チェック・・・品番・メーカー・価格・注目される理由を把握し、月間台数や販売時期を検討する。
  5. 輸出・輸入規模のチェック・・・国内出荷および輸出量を検討する。国内出荷に関しては、国内消費に直結するため、出荷の量の伸長・伸び悩みを徹底的に調査する。
  6. 価格予測および需要予測のチェック・・・伸びる要因と伸びない要因を検討する。

消費購買動向調査のチェック項目

  1. 人口統計・・・生産・消費の根本的要因の検討。
  2. 生活環境動向・・・社会・文化的背景を検討。
  3. ライフスタイルのチェック・・・生活意識・構造・行動の側面から生活環境の変化をとらえ、その変化がどのように消費者に影響を及ぼしているかを検討。
  4. 消費者の生活一般のチェック・・・ライフステージ・余暇行動・職業・年収・貯蓄高・家族構成・居住区・性別・年齢などを検討する。
  5. 消費者の消費・購買に関するチェック・・・消費行動・購買行動を検討する。
  6. エリア別・消費者ニーズのチェック・・・エリアマーケティングを各エリアごとに検討する。

業界動向や市場動向、消費者動向を調査することで業界の現状もわかり参入できる基盤があるか見極めましょう。

4.事業コンセプトを決める

経営資源を有効的につかうための方法論、または活性化する方向性の特定でありその方法論の中からひとつの方針を発見し、利益を追求するためのものです。
経営力の許容範囲を知るためにも各事業探索のパターンにあわせてどの分野でいくかを見極めます。下記のような分析表を作り自社の経営力を判断し事業コンセプトを決めます。

 

テーマ

製品化と事業化

業務と経営

マインドと行動

経営力の
分析テーマ

資源・機能(ともに有り)

 

 

 

資源(有り)・機能(なし)

 

 

 

資源(なし)・機能(有り)

 

 

 

資源・機能(ともになし)

 

 

 

事業コンセプト

 

 

 

5.事業の採算を考える

売上を予測する

勘だけでアバウトな予測をするのではなくて、売上の発生源ごとに年間どの程度予測できるかを考えていきます。初年度から黒字になることにこしたことはないですが楽観的な計画は禁物です。

例)販売による売上計画

  1. 商品の販売による売上
  2. 商品の販売による売上
  3. 商品の販売手数料売上

システムによる販売手数料
ほかの流通経路からの売上(未確定名ものは控除する)
このように商品別に考えていきます 。

何期目から利益がでるかを考える

売上高から投資費用や経費を除いたものが利益となります。初年度の投資をできるだけ低く抑え2期目や3期目で上がる利益を組み込む形で投資計画を考えていきます。

例) 投資費用

  • 製品原価費用
  • 改装工事費用
  • 什器備品費用
  • 機械購入費用
  • その他

必要経費

  • 人件費
  • 流通経費
  • 広告費
  • 営業経費
  • 販売管理費
  • 減価償却費
  • その他

投資費用も経費も項目ごとに予測して全体を合計したあと、売上予想と照らし合わせて利益の計画を考えます。

6.事業計画の構成を考える

構成のポイントを頭に入れる。できるだけ観閲に内容をまとめることが大事です。

まとめ方

  1. 新事業に関する結論
  2. 事業の採算・見通し
  3. 事業計画に至るまでの経緯・経過
  4. 既存事業との関連性・調査資料
  5. 事業コンセプト
  6. 事業内容・計画

の順にまとめていきます。最も重要な内容からまとめていくと良いでしょう。

書き方のポイント

  1. 無駄なデータは省く
  2. 資料をそのまま掲載するのではなく、自分なりに見やすいデータにする
  3. 市場動向・顧客ニーズを明確におさえる
  4. 環境調査をまとめる
  5. コンセプトを明記する
  6. 収支計画を明記する
  7. 事業計画を実施することで得られるメリット・デメリットを明記する

調査に基づき論理的にしかも結論を明示できるように構成することが良いでしょう。仮説や推測は削除することをお勧めします。

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